AI時代の心の教育〜観想的な学びとコンパションの日本的展開〜

AI時代に、人間として育むべき知恵は何か? 

特に、子どものためにどのような教育が必要か?

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ダライ・ラマ法王とアメリカのエモリー大学が共同で開発した

子供たちのための心の教育プログラム「 SEE Learning」(Social Emotional and Ethical Learnig)が日本でも導入され始めています。

このプログラムは、マインドフルネスやコンパッション(思いやり)、レジリエンスやアウェアネス(気づき)を子供に育んでもらうため教育の現場で使えるように作られたプログラムです。感情のコントロールやシステム思考の要素も取り入れられています。

このようなとても先端的な取り組みについてのカンファレンスが慶應大学で開催され、参加してきました。

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2018年にインドを訪れたとき、1ヶ月のヨガのトレーニングコース終了後に、チベットの亡命政府があるインド北部の街ダラムサラを訪れました。ダライ・ラマ法王が居住している場所です。

ダラムサラのカフェかどこかで、たまたま目にしたのが「 SEE Learning」でした。

なんて素晴らしいプログラムがあるんだろうと、日本に帰国してからも時折エモリー大学のサイトを見たり、情報を追っかけていたのですが、エモリー大学の先生たちが来日されるではないか!

これは行かなきゃ、と思い参加しました。

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この大会の大会長である慶應大学の井本由紀先生をはじめとするSEE Learnig ジャパンの皆様により、日本語に翻訳され、既に日本国内のいくつかの学校の授業で実践されています。先生たちから具体的な実践報告を聞くことができました。

長野県大日向小学校の原田先生から

子供たちが「コンフリクトを扱う力」を育むことができる、と仰っていたのが印象的でした。

こんな能力が身についた子どもたちが成長したときに

どんな世界を形づくってくれるのか

そう思うと、世界に一筋の光や希望を感じます。

また、「数学やその他の教科と違って教えるのが難しい」という声もありました。

1人の瞑想の熟達者を育てるのには何十年もかかると言われており

上記のような先生達の困惑も、もっともだと思います。

この点についてもパネリストと参加者間でディスカッションが交わされていたのですが

大人が子供と共に学び、場をつくるファシリテーターとして関わる姿勢が大切だ

というような考えも紹介されていました。

公教育の現場で、このような最先端の科学と宗教的叡智の融合したプログラムが実践されていることに、時代は大きく変化している!と実感します。

エモリー大学で開発されたプログラムは

教育者向けのSEE Learnigだけでなく、大人向けのコンパッショントレーニングプログラムCBCTというものもあり、このプログラムの受講を検討しています。

コンパッションに満ちた社会へ、このムーブメントをぜひ広げてゆこうではありませんか!

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